「来月、 イベントやりまーす!」
……と、社内からきこえる声。物販もやるようだし、チケットも捌かないといけない、
看板とかチラシとかも作るのかな、あれ、そんなこと他の業務にあわせてできるのかな……。
学生時代にイベントを軽くかじったことがある私はむむむと不安になりました。
お客さんと直接会えるイベント、会社の印象にもつながるし、失敗せず楽しく乗り切りたいですよね。
申し遅れましたが、コルクでバックオフィスをしている鈴木せりです。経理をしたり、総務をしたり、このブログの運用管理をしたり、困ってる人を助けたり、コーヒーを淹れたりしています。
はじめはドキドキすることも多かったですが、今ではいろんな種類のイベントを運営してきて、少しずつイベントごとのノウハウを掴んできています。
平野啓一郎著『マチネの終わりに』の出版を記念した展覧会だったり……
ゲストスピーカーを招いてのトークイベントや……
先日も、また新たなイベントをしてきました。それは……
どん!
どん!
Jリーグサッカーチーム『川崎フロンターレ』と『宇宙兄弟』とコラボした『宇宙強大』イベント!コルクの面々揃って、イベントを盛り上げるべく、勇んで競技場に行ってきました〜!
普段は編集やらデザインやら経理など、イベントに関係した仕事をしていないコルクの面々なのですが、イベントはファンの方と交流できる貴重な機会。
なので、社内に声かけしてその日だけのイベントチームをつくるのが今のところのコルクのイベントスタイルです。
イベントを社内で運営するときに、まずは抑えておきたいポイント
1日だけ、日頃の業務と違うことをやる。
しかも目の前にお客さんがいてしかるべき対応と判断を即座に下さないといけない。
結構大変ですよね。
コルクでもまだまだ勉強したいことが多い分野ですが、何回かイベントをやってきて最低限必要なことや、逃してはいけないポイントがわかってきました。
やることも会場も様々でケースバイケースなのですが、最低限のところで、どうか少しでも、いきなりイベントタスクをぶん投げられて困っている人が少しでも救えれば……と思っています。
ということで、イベント運営で抑えておきたいポイントをまずは4つに分けておさらいします!
1.受付、撮影、司会などの人員確保!!
たとえ何も決まっていなくても、イベントの2週間以上前に声かけを。こちらは、100人キャパくらいのイベントでの最低限必要な人員リストです。
◆最低1人捕まえておきたい役割
・全体進行管理…イベントのことを一番理解してる人をどこかのポジションにがっつり振り分けると、ちょっと話したいときにもロスタイムが生まれます。司会などをやらずに役割として浮かせておいたほうがベター。
・司会進行…臨機応変に会話を繋げられる人、そしてゲストのことをよく知っていると尚良し。
・撮影…カメラとある程度親しみがある人。充電や周辺機材についても合わせて任せたい。
・音響…会場側がやってくれるパターンも多いです。自前であればトラブルに対応できるバンド経験のある人など。
◆2人以上捕まえておきたいポジション
・受付…愛想がよくてテンパらない人。現金の取り扱いがあるならそれが得意な人を。
・物販…細かいお金の取り扱いが多いので、とにかくしっかり者がいいです。
・導線案内…背が高くて声が大きいとよし。お客さんとのコミュニケーションが多いのもこのポジション。
2.タイムスケジュールを作り、ヒト、モノ、カネの飽くなきシミュレーション
イベントの内容・進行プログラムの大枠がみえたら、イベントの1週間前には時間を1時間から2時間確保して、タイムスケジュールを作成の上で2人以上でシミュレーションする。これ、やっているのとやっていないのでは当日の安心感が全く違います。
この時に見取り図も用意しておいて、ものの配置と人員の配置も決めておきましょう。足りてなかった備品や制作物も洗い出して、割り振りとスケジュール切りまでしておいちゃいます。
お金を取り扱う場所の数も確認して、この時にポジションごとのつり銭準備の相談を経理の人としておきます。(物販や受付の人に任せてもよいですが、前日にいきなり相談して間に合わないという事態にならないように……!)
\ 混乱しそうなポジションは、お客さん役を立てて一度試しにやってみることも /
3.使えるサービスは外部に。そして、とりあえず気をつけたい物品リスト
受付名簿機能はPeatix!チケット代金が発生してもしなくても事前予約があるときはマストでお世話になっています。Peatixのいいところをまとめると…
・チケットに関わるやりとりが一箇所に集約される
・当日扱う現金が減る
・以前開催しているイベントのお客さんへのアプローチができる
・受付リストをつくってくれるし、ステータス管理が容易
などなど。ケータリングを発注する場合は、こっちで用意すべきものと用意してもらえるもの(コップ、お皿、カトラリー、お手拭き、クーラーBOX、撤収の有無)をしっかり確認しましょう。
ここでついでに当日買いに走ることが多いものと、持って行ったら何かと役に立つもののリストをあげておきます、
・栓抜き(差し入れでいただいた、ワインの栓が抜けない…)
・カトラリー(フォークの本数が足りなかった…)
・映像のケーブルなど(iMacから接続する端子がなかった…)
・あらゆる機材の充電(撮影機材が iPhoneだけだと暗い場所がつらい…)
とりあえず鞄に入れとくもっていったら何かと役にたつイベントの味方リスト
・文具類(マッキーなど太めのペン。ハサミ。裏紙。厚紙。養生テープ。マスキングテープ。)
・封筒やクリアファイル、菓子箱など(荷物がバラバラしがちなので整理グッツとして)
・賑やかしグッツや布など(屋外の時はペーパーウェイトも。荷物がさっと覆える布は会場によっては重宝します)
4.当日スタッフには役割分担を事前共有!
「お手伝いに来ました〜」というテンションと「自分の役割を全うするぞ!」というテンションは全然違います。何より一人ひとりが前もって自分の役割を把握していると、当日来るまでにイメージしたり、不安要素を予めて潰しておいてくれたりするので、当日のパフォーマンスが格段に良くなります。
初めてのことをやるときは、当日参加できるメンバーみんなを呼んだ共有会を前日などに開催し、ひとりひとりの役割を明確にしておきましょう。ここで最低限のイベントに対する知識(ゲストのプロフィールや写真撮影の可否など)を確認しておきます。前もって時間を取ることが難しい場合は、朝早く集まって顔合わせと役割共有をしておくと、それだけでも随分違います!
実際何を用意してどうしたらいいの?
上記、大切なポイントなのですが、それだけだと初めての人は何をしたものか伝わりづらいだろうと思ったのでもう少し細かく、各役割について説明しておきます。
(この記事はコルクのこれからのためにも書いているので切実なのです。)
■受付、出迎え
お客さんを出迎え、チケットの確認をしたりプログラムを渡したりする役割です。事前予約制の場合には前述のPeatixにお世話になっています。QRコードの読み取り機をPeatixさんから借りなくても、受付リスト(予約者名簿)を紙で出力しておいて「名前」と「予約番号」でリストをつぶしていけば問題無し。(残り何人来るかの確認だけちょっと面倒になります。)リスト照合役と、配布物を渡す役に分かれます。
・受付リスト…予約者名簿。チェック用のカラーマーカーが必須。
・配布物…プログラムやチラシなど。配りたいものが多かったらあらかじめ組んでおいたり、袋にまとめておいても。
・会場入り口案内…わかりにくい会場の場合は外にも張り紙なり看板を。
■物販
イベント会場で直接グッツや書籍などを販売する役割。会場にあわせて、一番必要なものが変わってくるポジション。アーティストのライブ物販やテーマパークのレストランは大人数を受け入れる仕組みがあっていつも感心しています。一度に多くの人を対応するような時は、環境が近そうな場所を思い浮かべて、あらかじめオーダーシートを作ったりジャンルごとにレジを分けるなど仕組み化しておきたいです。
・商品…販売前に商品ごとの個数を確認し、書いておきましょう。
・商品リスト…商品と値段のリスト。会計時に値段を確認したり、売れた数だけ正の字つけたり、売切れメモを書いたりするのに使っています。販売中に使用するものはできるだけ少なくして混乱を防ぎます。
・ショッパー…お客さん持ち帰り用の袋。大きめのものも用意しておくとまとめ買いにも対応できます。
・値札…商品につける値札。商品名と値段、必要なものは軽い説明までかけたら最高です。
・レジまわり…釣銭、キャッシュトレイ、電卓、領収書(5万円以上買う人が見込めるなら収入印紙)
・会場にあわせた広報物…大人数が集まるような会場では、遠くにいても何が売っているのかわかるようなポスター系(屋台に下がってる「フランクフルト」とかのイメージです)、行列が予想されるなら並んでる間に見てもらえるメニュー表などの手元系など。何があったらいいかお客様の目線になって想像をめぐらせましょう。
■進行管理
ゲスト到着時間を調整したり、各ポジションの動きに遅れがないかみたり、人員が足りないところに適宜人を割り当てたり、イベント対する一番の理解が必要な役割。150人規模以上になってくるならプログラム進行機能(タイムキーパーやスイッチャーなどと言われることもあります)と物販受付などで人を分けておくと安心。当日までの準備が大変な役。
進行管理の人が受け持つもの
・スタッフへの配布物…スタッフ章・プレス章、イベントTシャツ、スケジュール表や見取り表など。
・スケジュール管理(プログラム進行)…イベントに必要なものを集めて、当日運用しやすいようにアレンジする。当日は時間管理をしながら、イベントがよりよくなるように諸々の調整をする。
・スケジュール管理(受付物販など)…各ポジションの準備進行度合いをみて人手をわりふったり、受付開始時間を調整したり。
・プレスなどへの対応。
■導線案内
会場までの道のりと会場内での人の動きを考えてみて、適宜案内ポスターを貼ったり、滞留しがちなポイントから人を流したりなど、参加者がスムーズに動ける為のご案内役です。
席があるばあいは前中央から詰めてもらったり、空いてる席をご案内するのもスムーズな運営のために必要な仕事です。
導線案内の人が受け持つもの
・案内用サインなどの制作物…会場にあわせた行き先案内表示や、コーヒー屋さんのランプ的なサイン
・迷子のお客さん、何か言いたげなお客さんへの対応…シャッターをきってあげたり、作家さんへのプレゼントをお預かりしたりするのもこのポジション。
・役割とは違うかもしれませんが…全体を動けるポジションなので、スタッフにも目を配って適宜伝達役にもなってくれると助かります。
・プレスなどへの対応
大切だと思っていることをひとつ。専門の部署じゃないからこそ、事前準備も当日でも担当をしっかり割り振りし、情報共有をすること。元々の仕事への支障にならないよう制作物は、もともとその作業が好きな人だったり、余力がありそうなひとにお願いしたいです。 声のかけ方もチャットになげるだけだとすぐ流れてしまうので、直接声かけするのが一番です。
ここまでハウツー的なことをたくさん並べ立てましたが、あらゆるシチュエーションを想定しての事前準備をしつこい程にしておくのは、当日来てくれた人と楽しい時間をちゃんと共有するためのことです。
そしてもう一つ大事なこと。
来てくれたスタッフをめちゃくちゃねぎらう
人があってこそです。文化祭のようにチームで楽しみながらやるからこそ、いいイベントになります。
忘れがち、薄くなりがちですが、感謝の言葉は大切なことなので忘れずに。そして「打ち上げ費用を会社持ちにしていいですよね?」と上司に確認しておくことを忘れずに。(大事!!)
打ち上げのビールが体に染み渡って、もう、格別なのです。
イベントをやっているみんなの普段のお仕事はこちらの記事でよめます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!