作家の価値を最大化するために、「作家の頭の中にある世界を、パブリッシュする」「作家が生み出した作品を世界に届けて、後世に残す」などのミッションを掲げている、株式会社コルク。
そもそもコルクは、講談社・モーニング編集部で『宇宙兄弟』や『働きマン』『ドラゴン桜』などを担当してきた編集者・佐渡島庸平が2012年に立ち上げた会社です。
その後、佐渡島のメッセージは色んなメディアを通じて発信されてきたので、もしかすると、このブログを読んでくださる方は既に「コルクがどんなビジョンを持った会社か」を知ってくださってるのではないか、と思っています。
僕自身、コルクがやろうとしていることに惹かれて、2年間の学生インターン期間を経て2016年に新卒入社した一人です。申し遅れましたが、コミュニティプロデューサーをしている佐伯と申します。
しかし、両親や友達をはじめ、営業先の書店員さんや、やりとりをしている企業の方からよくこう聞かれます。
「佐渡島さんの名前は知ってるけど、実際コルクって何してるの?」
この質問をされる度に、僕は強く思うのです。
ま、まずい……!
社長の顔がキャッチーすぎるからなのか、会社のことが印象に残っていない……!!
(素敵な笑顔である。)
……というわけで。
最初の「コルクのブログ」では、コルクの社内にはどんな人がいて、それぞれどんな仕事をしているかをお伝えしたいと思います。
コルクには、現在20名ほどが働いており、それぞれ「コミュニティプロデューサー」「エンジニア」「デザイナー」「バックオフィス」という4つのチームにで構成されています。
では、まず「コミュニティプロデューサー」からご紹介していきます!
コルクは「編集者」を採用しません。原稿も受け取り、ファンも盛り上げる。
「コミュニティプロデューサー」
コルク社内には編集者がズラっと働いている……とイメージされることが多いんです。が、違います。
コルクでは「編集者」という職種は採用していません。いや、確かに「クリエイターと打ち合わせを重ねて、作品をより良いものにしていく」という、いわゆる「編集者」の仕事は多いですし、編集をしてきた人が多いのも事実……ですが、あえて「コミュニティプロデューサー」という言葉を使っています。
この「コミュニティプロデューサー」という職種は、編集者としての創作のサポートに加えて、担当しているクリエイターのファンコミュニティをつくり、そのコミュニティを様々な手段で盛り上げることもします。
具体的には、公式サイト、イベント、SNSなどの運営から、ファンクラブづくり、メールマガジン、商品開発、WEBページの制作ディレクションまで、時に作家と共にブラッシュアップしながら、本当になんでも挑戦していきます。チームによっては、海外展開も積極的に行っているので、日本とアメリカでの同時連載や、海外での映像化の案件を進めたり。
担当するクリエイターごとに、ファンコミュニティや作品を発表する媒体などが違うので、コミュニティプロデューサーのやることは、一人一人異なり、色々なプロジェクトを動かしています。今回は、その一部をご紹介します!
たとえば、『宇宙兄弟』での、ムッタの月面着陸イベントの場合…
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『宇宙兄弟』連載8年目、26巻にしてムッタがようやく、ようやく宇宙に出発。そこでこれまで待ってくれていたファンの方達がワクワクするような場所を作れないか? と企画されたのがこのイベント。
アニメでムッタの声優をしてくださった平田広明さんが、アニメでは放送されていない名シーンまで朗読したり、主題歌を歌うカサリンチュのお二人がライブをしたり、そして小山宙哉さんによる裏話も。
参考記事> 小山宙哉、平田広明、佐渡島庸平が「宇宙兄弟」を語った満月の夜、コンテンツビジネスの未来が光る?
イベントのほかにも、登場人物である「絵名の惑星ヘアピン」を企画・販売したり……
所属作家・安野モヨコさんの作品『シュガシュガルーン』では主人公のショコラ・バニラをイメージしたネックレスを企画・販売しました。
僕自身もコミュニティプロデューサーとして入社したのですが、今回はコミュニティープロデューサーの先輩である仲山優姫( @ yuhiiiidayo )さんに聞いてみましょう。
優姫さん、『宇宙兄弟』の小山宙哉さんや、芥川賞作家の平野啓一郎さんを担当していますが、仕事の醍醐味ってなんでしょう?
仲山優姫:作品を広めるための戦略を思いついたとして、コルクは「まずはやってみよう」という会社。だから、どんどんアイデアを試して、実現できますよね。
私たちの仕事はいい意味で何をするか決まっていなくて、編集もするし、プロモーションもするし、ファンイベントの現場にもでるし、なんでもできる。
自由度が高くって、あらゆる手段を試せるのがコミュニティプロデューサーの醍醐味ですね。
担当作家との距離が本当に近い!作家とコミュニケーションをとりながら一緒に戦略を練ることもあります。
担当だからこそ感じる感動や気づきをどう表現するか?も重要だと思っているので、何にも制限されず行動できることこそが、結果的に作家のつくりだすものを、ファンにより届けられるようになると思っています。
??優姫さん、ありがとうございます!ちなみに、優姫さんのインタビューはこちらから読めます!
参考記事> 「作家さんが持つ才能をより多くの人に届けるために、あらゆる手段を考え、実行する(仲山優姫)」
ファンとのインタラクティブな交流の場を築き、未来のエンターテイメントを目指す。
「エンジニア」
形が限定されている雑誌や単行本と違い、インターネットの中であれば、より自由な作品の楽しみ方を創ることができます。
?作家の近くにいながらテクノロジーの力を使って、一緒に心を動かすものをつくる。
コルクには、そんな未来のエンターテイメントを目指す、フロントエンドエンジニア、サーバーサイトエンジニアが働いています。
エンジニアも、コミュニティプロデューサーと同じように、作品を理解して、Webサイトやアプリなどをつくることで、作品の幅を日々広げていきます。
たとえば、『宇宙兄弟』で似顔絵イラストを集めたサイトや、
などなど。今回は、エンジニアチームの最年少ながら『シュガシュガルーン』(安野モヨコ)や『テンプリズム』(曽田正人 原案・瑞木奏加)などの制作を手がけるエンジニア兼デザイナーの小川恭平くん( @ kyohei_ogawa_ )にお話を聞きました。
小川恭平:僕たちは、コミュニティプロデューサーと同じレベルで作品への理解を深めてから、世界観を楽しめるようなエンジニアリングや制作を行っています。
最近だと、バレンタインデーに、『シュガシュガルーン』の男子キャラ人気投票のサイトをデザイン・プログラミングしました。
ファンの方は、かなり盛り上がってくれて嬉しかったのですが、同時に、もっと技術力を高めて、もっと楽しんでもらえるものをつくりたい!と思いましたね。
これからは、VRなどの新しい技術も取り入れていって、より作品の世界観が落とし込まれたコンテンツを発信できるようになりたいと思っています。
???小川くん、ありがとうございました。 現在どんどん強化されているエンジニアチーム。今後の作品にも、ぜひご期待ください!
作家の描きたい世界観を、あたらしいフィールドで実現する。
「デザイナー」
作家がつくり上げた作品の理解に一番重点を置いて、SNSを盛り上げるための投稿画像や待ち受け、広告のデザイン、サイトのビジュアルデザインなど、様々なアウトプットに落としこむのが、コルクのデザイナーのお仕事です。
「ファンがどうやったらワクワクするか」を、日々考えている、コルクのデザイナーたち。作品を深く読み込み、ときにコミュニティプロデューサーと議論しながら、デザインを制作しています。
たとえば…『シュガシュガルーン』待ち受け画面や、
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『テンプリズム』ハロウィン用 LINE応答画像など。
これらの制作物を担当する中塚里佳子さん(通称・ロックちゃん)に、お話を聞いてみました。
ロックちゃん:私がデザイナーとして目指しているのは、作品を読んだときに感じた感情を思い出させるような、ワクワクするようなデザイン制作です。
コルクは、作品への理解を深めていって、作家とファンにとってのベストを考えていける環境です。
まだデザイナーの人数は少ないのですが、プロフェッショナルな外部のクリエイターの方々と一緒に仕事をする機会が多いので、DTPからプロダクトデザインまで、いろいろな領域のデザインが風通し良く学べるのも嬉しいです。
?作りたいものを作れる技術を磨いて、ファンがワクワクするデザインを生み出していけるように頑張ります。
?
??ロックちゃん、ありがとうございます!
?参考記事>「ずっとやりたいことが見つからなかったけど、今は自分に任された仕事が楽しい」(中塚里佳子)
社内を変えていく、クリエイティビティがある。
「バックオフィス」
会社を運営していくのに必要不可欠な経理、人事、法務などの業務を行いながら、会社を支えているのがバックオフィスチーム。しかし、仕事環境のサポートだけではありません。
「こんどの新商品企画、どう思いますか?」
「このデザイン、どっちがカッコイイですか?」
など、デザイナーやコミュニティープロデューサーからの問いかけは日常茶飯事です。コルクで働くバックオフィスのスタッフは、漫画や文学、エンターティンメントが好きな人ばかりだから、その純粋なファン視点の意見によって、プランが変わっていくこともしばしば。
法務をメインに担当している半井志央さんに、お話を聞きしました。
半井志央:コルクのバックオフィスの仕事の楽しさはやろうと思えばなんでもできるところですね。誰も職種によって仕事を制限されない。むしろ全員が積極的にかかわる文化を作っていきたいのでそのためにはまず自分が色々手や口を出すところからです。
作家さんとコミュニティープロデューサーが一緒にコンテンツを作っているとしたら、私は作家さん、コルクのメンバー、一緒にお仕事をさせていただいている方々を巻き込んで「コルク」という会社の仕組みや文化という新しいコンテンツを作りたい。そこにはクリエイティブな挑戦があると思っています。
そういう風に思えるのは、超一流のクリエイターを一番近くで支える、という環境にいられるおかげかもしれないですね。
??半井さん、ありがとうございます!
そう語ってくれた半井さんが以前作った、安野モヨコ作品『オチビサン』のキャラクターの使用許諾書。業務的な文章ではなく、キャラクターらしい言葉にアレンジしちゃっていました。
「オチビサンに興味をもってきてくれたのじゃな。」と始まる、想定外の使用許諾書が完成して、佐渡島さんもビックリ。
ネットでは宣伝をするのではなく、作品の世界観を様々な形で伝えることが重要だ。担当編集だけでなく、法務や経理のような関係なさそうな人でも世界観を伝えれると作品を扱う会社としての厚みが出る。ある作品のための規約を作っていたら、法務がキャラが説明してるバージョンを作りたいと言い出した!
? 佐渡島庸平 (@sadycork) 2015年10月14日
以上、コルク社内にある4つの職種の紹介でした!うまく伝わりましたでしょうか?
これから
「佐渡島さんの名前は知ってるけど、実際コルクって何してるの?」
ということを言われたら、さりげなくこの記事のURLを送ろうと思います。
新人コミュニティープロデューサーの佐伯( @boogie_go )がお伝えしました!!
(↑コルクに所属している漫画家・羽賀翔一(@hagashoichi)さんが描いてくれた似顔絵です。)