宇宙兄弟ALSプロジェクト「せりか基金」なにが正しいのかを問いつづけながら進む道 #せりか基金


「せりか基金」発足

今週の月曜日5月22日「せりか基金」が始まりました。
下記はメンバーの所信表明です。

宇宙兄弟ALSプロジェクト「せりか基金」は本日、2017年5月22日(月)より始動します。 プロジェクトの目的は、難病・ALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療方法を見つけるための研究開発費を集めること。

『宇宙兄弟』のヒロイン・せりかは、自らの父も発症したALSをこの世からなくすため、医者となり、無重力空間の中で実験を行うために宇宙飛行士になりました。そして宇宙での実験で、ALS治療薬の開発に成功します。

「せりか基金」では、作品の中でせりかが成し遂げたように、現実でもALSを治療可能な病気としたいという思いから、活動を始めます。
原因も治療法も見つかっていないALSをいつの日か治療可能な病気にしたい。

研究者の方々への支援、またそれを通じて患者の方々への支援になればと願っております。
ご理解、ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

2017年5月22日
「せりか基金」プロジェクト
黒川 久里子
大久保美咲
小川 恭平
小西 康高
佐伯英毅
鈴木せり
中谷 祐子
松岡 優

▼ご支援受け付けています▼

「せりか基金」公式サイト
https://landing-page.koyamachuya.com/serikafund/

 

はじめまして。クリスです。

いつもはコルクで作家の担当編集者をしながら、物販の責任者もしています。

(木下晋也、品田遊、羽賀翔一、森もり子、つきはなこ、山内宏泰担当。大好きな作家達です。読んでね。)

この「せりか基金」というプロジェクトはコルクがやりたかったことでもあり、私の小さいときからの夢でもあった。

正確には小さい時にはALSという病気は知らなかったけれど、本当に困っている人を支援する仕事がしたいと思っていたのだ。

父親がアフリカやブラジルで仕事をしていたこともあり、世界には私が当然のように享受していることが当たり前ではなく、その状況に困っている人がいると感じていたからかもしれない。国境なき医師団やマザーテレサに憧れていた。

私は『宇宙兄弟』の担当編集ではないが、この「せりか基金」は私が中心になって、進めている。

「このプロジェクトに本気で賛同して深く関わりたいと思っていない人は抜けてほしい」

そんな厳しい言葉を放ったこともあった。

メンバーはみんなもちろん通常の仕事もあり、忙しい中ではあることはわかっていたけれど、そしていつもはふざけてる私だけど、このプロジェクトはしっかり締めていかないといけないというメッセージを伝えたかったからだ。

しかし誰1人音を上げることなく、初めての仕事に深くコミットしてくれた。本人達にはまだ伝えられていないがメンバーの予想以上の底力に驚いている。

一緒にやりたいと、熱く想ってくれたプロジェクトメンバーの存在が嬉しかった。

 

実は、「せりか基金」プロジェクトが始まってから、何度も不安とプレッシャーで押しつぶされそうになっていた。

ひとつひとつ決定をしているその選択は正しいのか。

私(達)がなにかミスをするかもしれない。そのせいで、『宇宙兄弟』や小山宙哉のイメージを損ねてしまうことにならないか。
多くの人の気持ちを、無駄にしてしまわないか。
患者や家族の方々を、傷つけてしまうことになってしまわないか。

ALS患者でもなく、家族でもなく、医療従事者でも研究者でもない私たちができることは何か。

そもそも、ALSのために寄付金を集めるとしても、その用途はたくさんある。

・ALSの原因究明、治療研究費
・介助の負担が大きく、ヘルパーの数が足りないのでその補助費
・希少疾患のためわかりあえる人が少ないので、ALS患者のための組織が必要で、その運営費
・患者がよりよく生きていくために様々な、装置の開発研究費

など、どれも重要なことばかりだ。

 

非常に悩ましかったが、集めた寄付金は治療研究費に使ってもらうことにした。そう決めた理由は主に2つある。

1つめは「患者の方々の共通の希望は、治療方法が見つかること」だと考えたこと。

そして2つめは、『宇宙兄弟』の作品の中で、医者で宇宙飛行士である伊東せりかが、無重量空間で治療薬の実験に成功し、ALSの治療方法を見つける第一歩を踏み出したこと。

『宇宙兄弟 27巻』

小山宙哉が「願望」として描いた未来へ近づくことを、宇宙兄弟ファンと一緒に願うことができると思ったのだ。

 

患者さんやALS支援団体の方からも
「ぜひお願いしたい。治療研究費が全然足りないけれども、そこまで手がまわらないのです」と応援の声をいただいている。

それでも、やはり悩ましかった。

人間が生きていくために本当に必要なことは、家族や好きな人と一緒にいることなのではないか。どう生きるかを一緒に考える仲間とコミュニケーションをとれることではないか。

病気の治る未来より、生きている今この瞬間を充実したものにできるような支援の ほうがいいのかもしれない。

そう考えると、治療研究費への支援金よりも、今すぐにもっと必要なことがあるのかもしれない。

と毎日問いかけてしまう。

 

その度にメンバーで話し合い、一緒にALSにまつわる映画やドラマをみて、本を読んだ。

ALS患者でありご自身もALS患者のサポートをしていらっしゃる酒井ひとみさんや、ALS支援団体の方に相談させて頂いた。

私の名前は酒井ひとみですーALSと生きるーhttps://koyamachuya.com/column/column_category/als/

 

そして、私たちは私たちができる精一杯をやろう。

もっと勉強して学んで、もっといい「せりか基金」にしていけばいい。と、

自分たちや周りの多くの気持ちを信じることに決めた。

『宇宙兄弟』が教えてくれたように。

仲間 「せりか基金」は多くの方のご支援を頂いています

「せりか基金」のことを相談すると、いつもとは少し違う反応が返ってきた。

いつもクールに見えるECのアドバイザーの方がまず言ってくれた。
「いいですね!やりましょう。ステッカーの原価は私がもちます。そして何でも相談して下さい!」

「せりか基金」のロゴや商品デザインをお願いしたデザイナーは、
「是非関わりたい。デザイン費用はお気持ちでいいです」と。

いつも配送をお願いしている倉庫は、
「配送資材をすべて提供します」

印刷をお願いしている会社は、
「協力したい。印刷原価をもちます」

初めて仕事をさせて頂くTシャツのメーカーは
「すばらしい企画ですね。ぜひ原価を下げて協力させてください。」

『宇宙兄弟』が載っている講談社のモーニングでは、
「もちろん、協力します、誌面告知しましょう」

と言って下さった。(モーニングでの告知は6/1号に載る予定です)

そして、宇宙兄弟のファンクラブのメルマガで「せりか基金」の話をしたら、ファンの方からたくさんの応援メッセージが届いた。ひとつひとつをメンバーみんなで読んで勇気をもらい、このプロジェクトの成功を一緒に信じる熱い仲間がいることも知った。

なにが正しいのかはわからない。

でも、一緒に信じる仲間がいることがとても嬉しい。

 

まだ「せりか基金」ははじまったばかり。
単発で終わらせることなく、
治療方法が見つかることを信じて、
ALSがいつの日か治療可能な病気になることを願って、
私たちができることを精一杯やりたいと思っています。

今この原稿を書いている途中で、自身も患者である酒井ひとみさんからメールが届き、
そこには、
「絶対うまくいくと、私はおもってます!」
とあった。

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「せりか基金」に賛同してくださる方は、是非ご支援をお願いします。
直接の寄付だけではなく、シェアやリツイートも支援になります。
どうぞよろしくお願いします。

さあ、はじめよう 想像ではうまくいってる byムッタ

▼チャリティグッズはこちら?ご支援受け付けています?▼
「せりか基金」公式サイト
https://landing-page.koyamachuya.com/serikafund/

▼チャリティーグッズページへ直接いかれる方はこちら▼
https://serikafund.stores.jp/

活動報告や、ALSについての記事は、宇宙兄弟公式サイトの「せりか基金通信」に随時公開します。

せりか基金通信
https://koyamachuya.com/column/column_category/serikafund/