リクルートからコルクのCTOになったエンジニア推薦、非IT企業でまず導入すべきツール5選


本日の「コルクのブログ」は、2016年10月にコルクに入社したCTO・萬田がお届けします。

%e8%90%ac%e7%94%b0%e5%a4%a7%e4%bd%9c_avatar_1479206299-150x150萬田大作(コルク CTO)
ナビタイムジャパンで経路検索&地図描画エンジンの研究開発、フューチャーアーキテクトでITコンサルタント、リクルートで複数の新規事業開発を担当。WEB系と基幹系のエンジニアリングからビジネス開発まで幅広く経験。2016年コルクにCTOとして参画し、『心に届ける』エンターテイメント作品をテクノロジーで支えるべくリードする。


はじめまして、コルクCTOの萬田(@daisakku)です。

僕がコルクに参画した理由には「本好き」であることもあるが、何よりも未だITされていない「出版・メディア」業界をテクノロジーの力でサポートし、「作家の才能を最大化する」というコルクのマインドに心を動かされたからである。

コルクは、大手出版社とは異なる社風ではあるが、まだまだIT化されていない部分も多かった。そこにエンジニアが入社した場合、どのようなところから手をつけていけば良いだろうか?

ここでは具体的に、僕が比較検討した上でコルクに導入した、以下5つのツールやサービスについて解説したい。

1.ナレッジマネジメントツール
2.クラウドインフラサービス
3.インフラ監視ツール
4.入退室管理システム
5.データマネジメントサービス


1.ナレッジマネジメントツール
「Confluence」

ネット系の事業に限らずスタートアップや新規事業開発の過程では、毎日新しい知識が飛び交う。きちんと情報を整理しておかないと、社内は混乱するし、新しい知は創造されない。そこでコルクでは「ナレッジマネジメントサービス」を導入することにした。
今回は、「Confluence」「Qiita:Team」「Wiki(Backlog)」の3つを比較・検討を行った。

比較・検討した結果、編集者などのプログラミングに日頃あまり触れないスタッフが多いコルクでは、AtlassianのConfluenceを導入することになった。

導入理由は、下記3点である。ぜひ参考にして頂きたい。

1.利用者=編集者のことを考えるとMarkdown記述は作業的に難しい
2.ツリー化・テンプレート化がしやすく、ドキュメントを定形化しやすい
3.コメント機能やチャットツールの連係が可能で、社内コミュニケーションの活性化がしやすい

 

2.クラウドインフラサービス
「Microsoft Azure」

コルクでは、所属作家のWebサイトやアプリ、自社サービスなどを複数運営している。作家の新刊が出たり、キャンペーンなどを行う際は、急なトラフィックの増加が発生するので、作品やキャンペーンのリリース時には、サイトに関係なくエンジニアが監視する必要があった。

通常クラウドインフラだとAWSを想起する人は多いと思うが、コルクではAWSからAzureへの移管を始めた。

導入に至った理由は3つある。

1.コスト削減ができる
Azureでは、BizSparkというスタートアップ支援サービスがあり、かなりの金額のインフラ費用を支援してもらえる。
スタートアップにとって大事な資金を、人件費やマーケティング費など他のコストに置き換えることができるメリットは大きい。

2.PaaS利用としてのスケーラビリティーが高い
クラウドインフラ利用のメリットとしては、IaaS(Infrastructure as a Service)だけでなく、PaaS(Platform as a Service)の部分が大きい。AWSだとLambdaでバッチ実行という人も多いだろう。Azureでは、PaaSでWordpressを動かすことができるのだ。コルクではWordpressを使ってサイトを構築することが多く、急なアクセスでサイトダウンすることも多いが、PaaSでWordpressを動かすことができる為、そういう性質のサイトでも即時に対応できるのだ。
ちなみに、マイクロソフトのサポートサイトはこの仕組みで動いているらしい。このことからも信頼できるインフラサービスであることがわかる。

3.技術者としての好奇心
最近Azureがマイクロソフトの売上を延ばしていることに注目していた。ナビタイムのエンジニア時代Visual Studioを使って、Windowsアプリを沢山作っていた僕にとって、マイクロソフトがどのように変化してきたのかに興味があったのだ。


具体的に、Microsoft Azureが他のクラウドサービスと比べて、圧倒的に優れている点を実際にMicrosoftのエヴァンジェリストに聞いてきたので紹介する。
それはDBのスケールアップを、無停止で行うことが出来るという機能(但し現在はSQL Serverのみ)だ。

たとえばAmazon RDSでは一度RDSを停止し、その後インスタンスタイプを変更して、再度起動する必要がある。しかし、Azureでは、管理画面でインスタンスタイプを変更するだけで、スケールアップを実現することが出来るのだ。スタートアップにつきものの急なトラフィックによる深夜作業はこれである程度避けることが出来るのではないだろうか。

 

3.インフラ監視ツール「Mackerel」

2.のクラウドインフラに加え、かなり少ないエンジニアで運用しているコルクでは、エンジニアの稼働を最小化するためにインフラ監視ツールの導入を検討した。サーバの死活監視やリソース監視など、インフラ監視を行うクラウドサービスは複数存在する。コルクでは、本サービス導入時に検討すべき観点を、Mackerel/Datadog/Munin(OSS)の3つのサービスで比較検討した。

1-mackerel

 

通常、初期費用・運用費用などツールの利用料にのみ観点を整理しがちだが、エンジニアの稼働費用や拡張性・サポートなど複数の観点から、日本語で利用でき、且つ、エンジニアコストを圧縮できるはてなのMackerel(マカレル)はオススメである。

なお、監視するサーバ数によってはボリュームディスカウントあるので、ぜひ問い合わせて頂きたい。

4.入退室管理システム「Akerun」

これまでコルクでは、一部の社員だけが施錠を行えるようになっているが、これは勉強会やファンとのコミュニケーションなどイベントなどに大変不便である。

そこでセキュリティを守りつつ、多くの社員が鍵の管理を可能にするために導入したツールが「Akerun」だ。


設置は簡単で、ドアに貼り付けるだけ。スマートフォンやICカードで解錠が可能となる。もし入退室管理を検討する場合は、ぜひオススメしたいツールである。

 

5.データマネジメントサービス
「Treasure Data」

トーマス・H・ダベンポートの「分析力を武器とする企業」にもあるように、現代の企業にとって、データは競争力の源泉である。

エンジニア界隈ではログ収集ツール「fluentd」を作っている企業として有名な「Treasure Data」であるが、「fluentd」で収集したログをすべて同社のツール「Treasure Data」に投入することにで、HadoopやPrestoを使って分析することが可能になる。

TREASURE DMP from Treasure Data, Inc. on Vimeo.

「Treasure Data」の導入メリットは下記の3点であると考えている。

1.HadoopやPrestoなどのインフラ運用コスト削減
通常、データを収集・統合・分析するためにはビッグデータ・エンジニアと呼ばれるエンジニアが必要である。またデータ量が多くなると、ディスクやインスタンスの費用も必要になるが、それを削減可能なのである。

2.データの統合が容易に可能
ログ収集ツール「fluentd」やバッチ型データ転送ツール「embulk」を使うことで、自社のデータ統合が容易に可能なのである。

3.データの連係が可能
「Treasure Data」で収集したデータは、AudienceOne・Dentsu.io・IntimateMergerなどのデジタルマーケティング・ツールや、GoogleSpreadSheetやTablueauなどの可視化・BIツールに連携することが容易に可能なのである。

非IT企業に5つのITツールを導入した結果

上記5つのツールを導入した結果、全体のITコストが最適化され、また社内の知識共有も少しづつ活発になってきた。

例えばナレッジマネジメントツール「Confluence」では、常駐社員数が20名ほどの人数に対し、月間100近い様々な記事が作成され、暗黙知(属人化しやすい知識)が日々共有されている。

今後もデータドリブンで作家サイトやSNSを分析し、エンジニアの力で社内スタッフ、そして何よりも所属作家たちに良い環境を作っていけるよう、最大限サポートしていきたい。

コルクでは、このような環境の変化も楽しめるような編集者・エンジニア・デザイナー・マーケッターも募集している。

Text by 萬田大作(@daisakku)

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